クックチルとは?メリットやデメリット、業者の選定基準を解説
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クックチルとは?メリットやデメリット、業者の選定基準を解説

介護施設の食事提供において、人手不足や調理スタッフの負担、食の安全性など、さまざまな課題を抱えていませんか。

クックチルは、調理後に急速冷却して保存し、提供時に再加熱する調理システムです。業務の効率化や衛生管理の徹底が図れるため、多くの介護施設で導入が進んでいます。

本記事では、クックチルの基本的な仕組みからメリット・デメリット、業者選定基準まで解説します。

クックチルとは?

クックチルとは、調理した料理を急速冷却し、チルド状態で保存した後、提供時に再加熱する調理システムです。調理後90分以内に中心温度を3℃以下まで冷却することで、細菌の繁殖を抑え、衛生的かつ美味しい状態を保ちます。

ルール通りに調理・冷却が行われていれば、調理日を含めて5日間の保存が可能です。提供時は湯煎やスチームコンベクションで再加熱し、盛り付けのみを行えばよいため、当日の作業を大幅に簡略化できます。

クックチルシステムで製造された食品は、完調品(完全調理済み冷凍食品)と呼ばれます。

基本的な定義

クックチルシステムの最大の特徴は、急速冷却によって食品の安全性を高め、保存期間を延ばすことができる点です。食中毒菌が増殖しやすい約35〜40℃の温度帯を短時間で通過させることで、細菌の繁殖を最小限に抑えます。

具体的には、調理後30分以内に冷却を開始し、90分以内に中心温度を3℃以下まで下げます。その後、0〜3℃で保存することで、衛生的に食品を管理します。この厳格な温度管理と時間管理により、安全性と効率性の両立が可能になりました。

その他調理法との違い

クックチル以外にも、いくつかの調理方式があります。それぞれの特徴を理解することで、自施設に最適な調理方法を選ぶ際の参考になります。

クックサーブ

クックサーブは、調理後すぐに盛り付けて提供する従来の調理方式です。できたての料理を提供できますが、提供時間に合わせて調理を行う必要があり、ピーク時には多くのスタッフが必要です。また「調理から2時間以内での喫食」が求められるため、提供時間が限られます。

ニュークックチル

ニュークックチルは、クックチルを発展させた調理システムです。チルド状態で盛り付けを行い、専用の再加熱カートで保管・再加熱する点が異なります。再加熱後はそのまま提供できるため、作業がさらに簡略化されますが、専用設備の導入に初期費用がかかります。

クックフリーズ

クックフリーズは、調理後に急速冷凍し、-18℃以下で保存する調理方式です。約8週間の長期保存が可能ですが、冷凍によって食材の組織が損なわれやすく、解凍時に水分や栄養が流出する可能性があります。クックチルの冷蔵保存と比べると、品質の劣化が起こりやすい面があります。

クックチルの調理工程

クックチルの調理から提供に至るまでの一連の流れを理解することで、なぜ安全性が高く、業務効率化につながるのかが明確になります。

ここでは、各工程について詳しく解説します。

食材の準備・調理

セントラルキッチンで食材の下処理と加熱調理を行います。多くのクックチル業者では、真空調理という技術を採用しています。真空調理とは、食材を真空パックに入れて加熱する調理法で、パウチの中で味が完成するため、素材の中心まで均一に味が染み込みます。

この方法により、家庭的でやわらかい味に仕上がるだけでなく、パウチ内で完成させることで外部からの汚染を防ぎ、食中毒のリスクを極めて低く抑えることができます。

急速冷却

調理後30分以内に冷却を開始し、90分以内に中心温度を3℃以下まで下げます。この急速冷却が、クックチルの安全性を支える最も重要な工程です。食中毒菌が最も繁殖しやすい30〜40℃の温度帯を短時間で通過させることで、細菌の増殖を抑制します。

冷蔵・冷凍保存

急速冷却後は、0〜3℃の冷蔵状態で保存します。この温度帯を維持することで、調理日を含めて5日間の保存が可能です。冷蔵保存(チルド)は、冷凍保存と比べて食品の組織や細胞へのダメージが少なく、味や食感を損ないません。

冷凍すると、解凍時に水分が流出したり食材の食感が変わったりしますが、チルド保存ならそのような心配がありません。提供時に再加熱すれば、できたてに近い品質で食事を提供できます。

再加熱・提供

施設側では、湯煎・スチームコンベクション・再加熱カートなどで再加熱(中心温度75℃以上で1分間以上)を行い、盛り付けるだけで提供できます。調理経験のないスタッフでも容易に作業が可能なため、調理師免許を持つ人材を確保する必要がなくなります。

クックチルのメリットとデメリット

クックチルを導入する際には、メリットとデメリットの両方を理解しておくことが重要です。

メリット

クックチルは「安全性・効率・品質の安定」を同時に狙えるのが大きな強みです。現場の負担軽減やコスト最適化にもつながるため、運用体制に合うかを意識して整理すると導入判断がしやすくなります。

安全性の確保

クックチルは、急速冷却によって食中毒菌の繁殖を抑えるため、食の安全性が高い調理方式です。

調理工程には、HACCP(ハサップ)による衛生管理が不可欠であり、温度と時間の厳重な管理を必要とします。HACCPとは、食中毒菌汚染や異物混入などの危害要因を把握し、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程で管理し、製品の安全性を確保する衛生管理の手法です。

各工程を標準化しマニュアル化することで、衛生管理および品質管理が容易になります。

出典:厚生労働省「HACCP(ハサップ)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/haccp/index.html

業務の効率向上

従来の調理方法では、提供時間に合わせて調理を行う必要があり、ピーク時に作業が集中します。クックチルでは事前に調理した料理を保存しておけるため、調理作業の平準化が可能です。

再加熱と盛り付けのみで済むため、シフトを調整しやすくなります。調理にかかる時間や労力が削減され、スタッフの負担が大幅に軽減されます。

コスト削減効果

クックチルの導入により、調理スタッフの配置を最低限に抑えられるため、人件費の削減につながります。また、計画的な生産により、食材の無駄を減らすことができ、フードロスの削減にもつながります。必要な食事数に基づいて注文できるため、廃棄を最小限に抑えられます。

品質の安定化

クックチルでは、調理手順がマニュアル化されているため、調理スタッフの技量に左右されることなく、常に均一な品質の食事を提供できます。真空調理技術により、味の均一化が図れるだけでなく、素材本来の味を引き出すことができます。

介護報酬の加算対象

介護施設では、一定の基準を満たした食事提供を行うことで、食事提供加算の算定が可能です。クックチルシステムの採用により、この加算の要件を満たす場合があります。詳細については、厚生労働省などの行政機関による一次情報を確認してください。

出典:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000202214_00009.html?utm_source=chatgpt.com

デメリット

一方で、設備投資や保管スペース、献立の自由度など運用面での制約もあります。事前に課題を洗い出し、業者選定や運用ルールでどこまで補えるかを確認しておくことが重要です。

保管設備が必要

クックチルを利用する際は、調理済み食品を保管するための冷蔵スペースが必要です。0~3℃で保存する必要があるため、十分な容量の冷蔵庫を確保しなければなりません。

現状の冷蔵スペースで運用が可能かを事前にチェックしておくことが重要です。スペースが不足している場合は、冷蔵庫の新規購入や増設が必要になり、初期投資がかかります。

ただし、最近では冷蔵庫のレンタルサービスを提供する業者も増えてきたため、初期費用を抑えたい場合は、そうしたサービスの利用も検討するとよいでしょう。

献立の多様性確保が困難

クックチルは大量調理を前提としているため、メニューが固定化したりサイクル化したりする可能性があります。同じメニューが繰り返されることで、利用者が飽きてしまうという課題があります。

また、揚げ物や炒め物などは、急速冷却後に再加熱すると食感が損なわれやすいため、クックチルに不向きなメニューとされています。そのため、献立の多様性がある業者を選ぶことが、この課題を解決するための重要なポイントです。

美味しくないという先入観

冷凍食品のイメージから「クックチルは美味しくない」という先入観を持たれることがあります。しかし、クックチルは冷蔵保存(チルド)であり、冷凍保存とは異なります。

冷蔵保存は冷凍に比べて品質が落ちにくく、解凍時の水分流出や食感の変化が少ないという特徴があります。また、真空調理技術を用いることで、素材本来の味を活かした家庭的な味に仕上げることができます。

導入前に試食会を実施し、実際の味を確認してもらうことで、こうした先入観を払拭することが大切です。

個別対応の難しさ

クックチルは大量生産・配送を前提としているため、急な食数変更やアレルギー対応、治療食など個別の要望に対応するのが難しい場合があります。

しかし、業者によっては嚥下食(ソフト食・ミキサー食・ゼリー食)や特定28品目のアレルギー対応ができるところもあります。個別対応が必要な場合は、そうした対応力のある業者を選ぶことが重要です。

デメリットの多くは、業者選びによって解決できるものです。次の章では、失敗しない業者選定基準について詳しく解説します。

クックチル業者を選定する基準

クックチル業者を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。

ここでは、失敗しない業者選定基準について解説します。

献立の柔軟な対応力

メニューのバリエーションが豊富であることは、利用者の満足度を高めるうえで欠かせない要素といえるでしょう。美味しいものを日替わりで飽きずに食べられる環境は、食事の楽しみを守るために大切です。

季節感や多様な選択肢を提供できる業者を選ぶことで、利用者の満足度が向上し、健康的で豊かな食生活をサポートできます。

配送エリアと安定した納品体制

クックチルは冷蔵保存のため、配送エリアの確認が必須です。自施設が配送エリアに含まれているか、定期的に安定した納品が可能かどうかを事前に確認しましょう。

全国展開している業者や、災害時でも対応できる体制を持つ業者を選ぶことで、安定した食事提供が実現できます。配送の頻度や時間帯についても、自施設の運営に合っているかを確認することが大切です。

治療食・介護食への対応実績

介護施設では、嚥下機能の低下した利用者に対応した食事の提供が求められることが多くあります。ソフト食・ミキサー食・ゼリー食など、さまざまな形態の介護食に対応できる業者を選ぶことが重要です。

また、アレルギー対応や禁止食への対応実績も確認しておきましょう。利用者一人ひとりの状態に合わせた食事を提供できる業者であれば、安心して任せることができます。

行事食・イベント食の充実度

食事は、多くの人にとって日々の楽しみのひとつです。とくに、正月や節分、クリスマスなどの行事食は、季節感を感じさせ生活に彩りを添えます。季節性を持たない定番メニューのみの提供は、利用者にとって単調さやマンネリ化を招き、飽きや不満を感じる要因となることもあるでしょう。

行事食やイベント食への対応が充実している業者を選ぶことで、利用者の満足度を高めることができます。試食会の際に、どのような行事食に対応しているかを確認しておくとよいでしょう。

まとめ

クックチルは、人手不足や食の安全性、業務効率化といった介護施設の課題を解決できる調理システムです。急速冷却によって食中毒のリスクを低減し、計画的な生産によってフードロスを削減できます。

デメリットとして、保管設備の確保や献立のマンネリ化などが挙げられますが、適切な業者を選ぶことでこれらの課題は克服できます。

株式会社談の「談らん」は、クックチルと真空調理を組み合わせた冷蔵保存(チルド)による食事提供サービスです。冷蔵保存は冷凍保存と比べて品質が落ちにくく、家庭的でやわらかい味を実現しています。

とくに、味と品質にはこだわりがあります。必ず数名で試食を行い、味にブレがあれば作り直しを行っています。酸化防止剤は使用しておりません。

また、ソフト食・ミキサー食・ゼリー食などの嚥下食や、特定28品目のアレルギーにも対応可能です。東北から鹿児島まで幅広い配送エリアをカバーしており、安定した納品体制を整えています。

試食セット(3食分)もご用意しています。食事提供の課題解決に向けて、ぜひ談らんへお問い合わせください。

談らんでは、真空調理やチルド保存をはじめとする独自の品質管理体制により、どの施設にも同じ味と安心をお届けしています。老人ホームや介護施設に関する相談を受け付けております。お困りの際にはぜひお問い合わせください。

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