介護現場の生産性向上とは?7つの取り組みから外部委託まで解説|株式會社談
TOPに戻る

介護現場の生産性向上とは?7つの取り組みから外部委託まで解説

人手不足が続く介護現場では「生産性向上」という言葉に、人員削減や職員一人あたりの業務負担の増加をイメージする職員も少なくありません。では、介護現場における生産性向上とは、実際に何を目指すものなのでしょうか。限られた人員のなかでケアの質を保ちつつ、職員の負担軽減につなげるための考え方を整理します。

制度への対応だけでなく、現場の業務をどう見直せばよいのかまで、具体的な取り組みとともに解説します。

介護現場における生産性向上とは

介護現場における生産性向上とは、業務のスピードアップや人員削減を意味するものではありません。厚生労働省のガイドラインでは、生産性向上を「介護の価値を高めること」と定義しています。

これは、効率化によって生まれた時間を、利用者と向き合う時間や個別ケアに充てることで、サービスの質を高めていく取り組みです。まずは、この前提を職員としっかり共有することから始めましょう。

出典:厚生労働省「介護分野における生産性向上ポータルサイト」

業務効率化との違い

業務効率化は、作業時間の短縮や省力化といった「量的な改善」に焦点を当てた取り組みです。

一方、生産性向上は効率化によって生まれた時間やゆとりを、ケアの質の向上や職員の専門性を高める研修に再投資する「質的な向上」も含みます。両者の違いを理解しておくことで、現場へ説明しやすくなるでしょう。

「ムリ・ムダ・ムラ」を取り除くことの重要性

介護現場の生産性向上を実現するためには「ムリ・ムダ・ムラ」を取り除いていくことが欠かせません。ムリとは、経験の浅い職員による単独夜勤や、体重の重い利用者を一人で移乗させるといった、職員に過度な負担がかかる状態を指します。

ムダは、同じ内容を何度も転記する記録作業や、探し物のための不要な移動などです。ムラは、職員によって手順や記録の書き方がばらつくことを意味します。これらを一つひとつ見直すことが、職員の働きやすさと介護の質向上につながるでしょう。

生産性向上が求められる背景

2040年問題を目前に控え、施設運営を取り巻く状況は大きく変化しています。超高齢社会の進行にともない、介護保険サービスを利用する人は2000年の約149万人から、2022年には約516万人へと、約3.5倍にまで増加しました。

一方で、担い手となる生産年齢人口は減少を続けており、2040年には介護職員だけで約57万人が不足すると推計されています。医療・福祉分野全体でみても、2040年に必要な就業者数は約1,070万人と見込まれる一方、確保が見込まれるのは約974万人にとどまり、約96万人の差が生じる見通しです。

限られた人材で施設を運営し続けるためには、生産性向上への取り組みが、もはや後回しにできない運営上の課題となっているのです。採用活動を強化するだけでは解決が難しい局面に差しかかっているからこそ、今いる職員の力を最大限に生かす工夫が求められています。

出典:厚生労働省「介護分野の最近の動向について」

出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」

出典:厚生労働省「令和4年版厚生労働白書」図表1-1-6 医療・福祉分野の就業者数の見通し

厚生労働省のガイドラインが示す7つの取り組み

厚生労働省のガイドラインでは、生産性向上に向けた取り組みを7つに分類しています。ここでは、費用をかけずに、施設内だけですぐに始められる工夫を中心に紹介します。「うちの施設でもこれならできそうだ」と思える部分から、着手してみてください。

すべてを同時に進める必要はなく、自施設の課題にもっとも近いものから優先的に取り組むことが、無理のない継続につながります。

出典:厚生労働省「介護分野における生産性向上ポータルサイト」

職場環境の整備

1つ目は、職場環境の整備です。整理・整頓・清掃・清潔・しつけという「5S」の考え方にもとづき、安全で働きやすい環境を整えます。たとえば、紙おむつを置く棚の位置と数量をあらかじめ決めておくだけで、探し物にかかる時間や不要な移動を減らすことができます。

業務の明確化と役割分担

2つ目は、業務の明確化と役割分担です。1日の業務全体の流れを見える化し、区切りとなる時間の目安を職員間で共有することで、業務が時間内に収まりやすくなります。介護福祉士と介護助手など、施設内の職種間で役割を分担することも有効です。

出典:厚生労働省「介護分野における生産性向上ポータルサイト」

手順書の作成

3つ目は、手順書の作成です。業務の進め方が特定の職員の経験や勘だけに頼っている状態では、質にばらつきが生まれやすくなります。文字だけの手順書では読まれにくいため、フロー図や写真を活用し、だれが担当してもおおむね同じ質で作業できるようにしておくとよいでしょう。

記録・報告様式の工夫

4つ目は、記録・報告様式の工夫です。手書き書類を見直し、時系列を把握しやすいレイアウトに変更したり、チェックボックス形式を取り入れたりすることで、記録や確認にかかる手間を減らせます。

情報共有の工夫

5つ目は、情報共有の工夫です。申し送りノートの手書きや口頭での伝達は、どうしてもタイムラグが生じます。介護ソフトやタブレットなどのICT、インカムなどリアルタイムに情報を共有できる手段を取り入れることで、伝達のもれや遅れを防ぎやすくなります。

OJTの仕組みづくり

6つ目は、OJTの仕組みづくりです。指導者によって教え方が異なると、新人職員が混乱し、仕事への不安や負担感が増すことで、職場への定着にも影響しかねません。指導方法や研修の順序をあらかじめ統一しておくことで、早期の戦力化と離職防止につながります。

理念・行動指針の徹底

7つ目は、理念・行動指針の徹底です。判断に迷う場面に直面したとき、全職員が同じ基準で自律的に行動できるよう、名刺サイズのカードに理念や行動指針を印刷して携帯してもらうといった工夫も効果的です。

目的をきちんと伝えないまま業務改善だけを進めると「仕事を減らされる」という不安を職員に与えてしまうため、注意が必要です。

2024年度介護報酬改定への対応

2024年度の介護報酬改定では、生産性向上に関する制度対応が大きく進みました。介護職員等処遇改善加算の職場環境等要件のなかで、生産性向上の取り組みが事実上必須の位置づけとなったほか、ロボットやICTの活用による効果を評価する「生産性向上推進体制加算」も新設されています。

制度の全体像を把握し、自施設に必要な対応を確認しておきましょう。

出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」

生産性向上委員会の義務化と経過措置

施設系サービスなどでは、生産性向上委員会の設置が義務化されました。3年間の経過措置を経て、2027年4月から本格的な義務化が始まります。対象となるのは、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、グループホームなど幅広いサービス種別です。

委員会は管理者と多職種のメンバーで構成し、オンラインでの開催や、既存の事故防止委員会などと一体的に運営することも認められています。まずは運営の基礎を押さえ、義務化に向けた準備を進めておくと安心です。すでに設置している他の委員会と役割を統合できないか、早めに検討しておくとよいでしょう。

出典:厚生労働省「介 護 保 険 最 新 情 報」

生産性向上推進体制加算の算定要件

生産性向上推進体制加算を算定する場合には、委員会の運営方法にも一定の要件が定められています。委員会の設置義務そのものには、開催頻度についての厳密な法令上の定めはありません。一方で、加算を算定するためには、委員会を3か月に1回以上開催することが必須の要件となります。

義務としての委員会運営と、加算を得るための運営とでは求められる水準が異なるため、両者を混同しないよう整理しておくことが大切です。

出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定 生産性向上推進体制加算について」

周辺業務の外部委託という進め方

施設内での取り組みだけでは、生産性向上に限界を感じる場面も少なくありません。とくに40床規模の有料老人ホームでは、調理職員の確保や衛生管理を施設だけで抱え続けることが、大きな負担になりがちです。ここからは、周辺業務を外部の力に委ねるという、もうひとつの進め方を紹介します。

出典:厚生労働省「介護分野における生産性向上ポータルサイト」

直接的なケアと間接的業務を切り分ける

介護保険の考え方に立ち戻ると、業務は大きくふたつに分けられます。食事介助や排泄・入浴介助など、利用者に直接かかわる「直接的なケア」と、記録や清掃、買い出し、調理といった「間接的業務」です。

職員が直接的なケアに集中できる環境をつくることこそ、生産性向上の本質といえます。そのためには、間接的業務のなかで何を施設内に残し、何を外部に委ねるかを、まず仕分けすることから始めましょう。

間接業務を外部の専門業者に委託する

間接的業務のなかには、清掃、洗濯、給食調理など、専門業者に委ねやすいものが複数あります。なかでも施設内での食事提供は、仕込みから調理、片付け、衛生管理まで多くの手間と時間がかかるため、外部委託による負担軽減効果が大きい業務のひとつです。

委託先を選ぶ際には、衛生管理の体制や、嚥下食への対応力を確認しておくと安心です。ミキサー食などの嚥下食を利用する家族や利用者にとって、食中毒対策をはじめとする衛生面への関心はとくに高い傾向にあります。また、もとの料理の風味や飲み込みやすさ、栄養バランスを重視する声も多く聞かれます。

委託給食で生産性向上が期待できる

こうした食事提供の課題に応えるのが、株式会社談が提供する「談らん」です。日本HACCPトレーニングセンター認定のコーディネーターが在籍し、パウチのなかで加熱調理を完結させる真空調理によって、食中毒のリスクを極めて低く抑えています。パウチのセット数も最適化されているため、施設での検品がスムーズに行え、異物混入のリスクも抑えやすいのが特徴です。

味と品質へのこだわりも欠かせません。「談らん」では必ず複数名で試食を行い、味にブレがあれば作り直すという工程を徹底しています。素材本来の味をより良い状態で保てるよう、酸化防止剤を使用せずチルドで保存しているため、冷凍することなく風味を保ちやすいことも強みのひとつです。

ソフト食・ミキサー食・ゼリー食という3つの嚥下食に対応しており、主菜・副菜のほか、お味噌汁の具材などがセットで届くため(主食は施設でご用意ください。お味噌汁の汁も希釈タイプでご用意できるオプションがあります)、施設ごとに個別の献立を用意する必要はありません。献立に合わせて最適な温度管理(再加熱・保冷)が行われるため、盛り付けるだけで、特別な調理技術がなくても安全でおいしい食事を提供できます。

委託給食とは?直営給食との違いから給食会社の選び方まで解説

まとめ

介護現場の生産性向上は、人員削減のための取り組みではありません。職員の働きやすさと、介護サービスの質の向上、そして経営の安定という3つを同時に叶えるための経営戦略です。すべてを一度に進めようとせず、現場の声に耳を傾けながら、小さな成功体験を積み重ねていくことが、取り組みを長く続けるコツといえます。

まずは職場環境の整備など、着手しやすいところから始めてみましょう。トップダウンで一方的に押しつけるのではなく、現場で働く職員の声にも耳を傾けながら進めることが、取り組みを根づかせる近道です。

そして、厨房の人手不足や衛生管理に課題を感じているなら「談らん」のお試し用の無料試食セット(3食分)から、その品質と手軽さを確かめてみてはいかがでしょうか。

お問い合わせはこちら

BLOG

ブログ

View All
PAGE TOP